将棋のルールと楽しみ方
将棋は、日本で昔から親しまれてきたゲームです。相手の王将を取れば勝ちという、とても分かりやすいゴールがありながら、奥深い世界が広がります。
基本のルール
先手と後手が交互に駒を動かしていきます。歩は一マスずつ前に進むだけですが、飛車のように縦横にどこまでも飛んでいける駒もあって、それぞれ扱いが全然違います。角行は斜めに長く動けるので、意外なところから急に攻め込んでくることもあります。
それから、将棋ならではの特徴が《持ち駒》です。相手の駒を取ったら、次はそれを自分の味方として使える。実際に指してみると、「持ち駒をいま打てば流れが変わるかも」と感じる瞬間が何度もあります。
駒の成りと戦い方
相手の陣地に入ると、多くの駒は《成り》の状態へと進化できます。歩が「と金」になって金将のように動けたり、飛車が「龍」になったり。
王手と詰み
相手の王を取れる状態が《王手》で、それを防げなくなれば《詰み》です。詰みを読む力がつくと将棋は一段と面白くなるので、まず一手先での詰みを予測してみて慣れるのが良いと思います。
このWebアプリでも、将棋AIとの対局を通じて、様々な局面での詰みの形を自然と体感できます。
その他のルール
将棋には《二歩》《打ち歩詰め》という、ルール上禁止されている手があります。
- 二歩 : 同じ列に2つ以上の歩を置くことが禁止されています。
- 打ち歩詰め : 持ち駒の歩を打つことで相手の王を詰ますことは禁止されています。
※ 初心者でも安心して遊べるよう、本ゲームでは《二歩》や《打ち歩詰め》を打てないように自動で制御しています。
また、対局が無限に続くのを防ぐための《千日手》というルールがあります。
- 千日手 : 同じ局面が4回繰り返されると引き分けとなります。
- 連続王手の千日手 : 王手をかけ続けて《千日手》にした場合、反則負けとなります。
本ゲームではこのルール判定にも対応しており、実際の将棋と同じ感覚で遊べます。
将棋AIの仕組み
このアプリのAIには「ミニマックス法」という手法を使っています。
ミニマックス法とは
自分と相手それぞれの最善手を順番に読んでいく考え方で、例えば “3手先まで読む” という設定なら、可能な手を全部並べて、そのあと相手の出してくる手を想像して…と3手先までのいろいろな可能性を判断していきます。
難易度別に初級モードでは1手先、中級では2手先、上級では3手先、超級では最大で5手先まで読むようにつくりました。
対人戦モードについて
同じ端末を使って友達や家族と対局もできます。
棋譜の保存と「待った」
途中までの対局は自動で保存してくれるので、ページを閉じても続きから再開できます。「戻る」「進む」ボタンで手順を見返すこともできるので、自分の悪手を確認したり、別の手を試したりする勉強にも役立ちます。
初心者が上達するためのコツ
まずは駒の動きを覚えることから。このアプリでは動けるマスが光るので、自然と身体で覚えていけます。
次のステップとして、駒の価値を意識すると一気に安定します。せっかくの飛車や角を簡単に取られないようにしたり、玉将の安全を意識したり。
詰将棋で終盤に強くなる
終盤力をつけるなら詰将棋はとてもおすすめです。一手詰みから慣れていって、徐々に手数を増やすと自然と詰めの形が読めるようになります。
定跡を知ると序盤が楽に
将棋には「定跡」と呼ばれる長年の研究の積み重ねがあります。いきなり全部覚える必要はなく、居飛車や振り飛車といった代表的な形を少し知るだけでも序盤の混乱が減ります。
このアプリのAIはどんな形でもある程度は対応できるので、いろいろ定跡を試しながら自分のスタイルを探してみると楽しいです。
将棋の歴史について
将棋のルーツはインドのチャトランガとされ、日本に伝わったのは平安時代あたり。いまのようなルールになったのは16世紀頃です。
江戸時代には武士から庶民まで将棋を楽しみ、将棋所という制度まであったほど。現代はプロ棋士制度が整って、日本将棋連盟が中心となって公式戦が一年中行われています。
コンピュータ将棋の進化
2017年には佐藤天彦名人(当時)がPonanzaと対局し、AIが現役名人に勝ったことで話題となりました。
今ではプロ棋士もAIを研究に使うのが当たり前で、AIが指す新しい戦法が人間の棋士にも影響を与え、将棋の可能性を広げています。このWebアプリも、そうした技術を少し身近に感じてもらえるように作っています。